--. --. --  
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2011. 03. 17  
本「代替医療のトリック」を見ると、鍼やホメオパシー、カイロプラクティック、ハーブ療法などの医療行為には限定的またはプラセボに準ずる程度の効果しかないと記述されている。

これに対して、鍼やカイロプラクティックなどを生業にしている人たちは反論をしている。

私はサイエンスの分野にいるので、これらの職に就いている人とは別の切り口でこの本について考えてみたいと思う。

この書籍では、科学的手法を使って、上記の医療行為に効果があるかを検証している。
科学的手法とは、適切な実験プロトコルを設定し、プラセボ群を用意し、プラセボよりも明らかに効果があるかを調べている。そして、このような科学的手法を採用している複数の信頼のおける研究の結果を考慮することで、上記の医療行為の効果を検証している。
その中で、「コクラン共同計画」を引用したりしている。

これらの手法はもっともらしいし、多分適切な実験計画のもと実験が行われていると思う。

しかし、統計解析の基本は、プラセボと比べて、有意差があったときには明らかな効果があったと言うことができるが、プラセボと比べて、有意差がなかったときには、結論は保留される。

実際にこの書籍の中で、結論を下すのに利用している文献を手にしている訳ではないので、どのような手法を使って、結論を下しているかはわからないが、単純にプラセボと比べて有意差がなかったときには、プラセボと同等と結論づけることはできない。

t検定や分散分析などを使っている場合、有意差があったときは、はっきりしたことを言うことができるが、有意差がなかったときにははっきりしたことは言うことができない。


ただ、ホメオパシーではt検定や分散分析ではなく、回帰分析を使って検証することができる。

ホメオパシーでは、レメディーと呼ばれる物質の濃度を下げれば下げるほど、効果のある薬になると考えられている。そのため、薬剤の濃度を複数設定し、各濃度ごとの効果を回帰分析などを使って検証することが可能だと思う。この場合、有意差があるなしではなく、濃度と薬効の間の関係を調べることでホメオパシーの効果は検証することができると考えられる。

これは、ホメオパシーに限ったことで、鍼やカイロプラクティック、ハーブ治療ではやはり、プラセボを用意し、それとの比較になる。この場合、プラセボと比べて有意差がないときは、はっきりしたことは言えない。

いったいなどんな実験をして、これらの医療行為に効果がないと言っているのだろうか?

代替医療と呼ばれる医療行為に効果があるかないかではなく、その結論を下した実験手法に興味がある。
スポンサーサイト
2010. 08. 10  
座右の書として、よく見返す本がある。

  サイモン・シン著「フェルマーの最終定理」
  立花隆、利根川進著「精神と物質」

「フェルマーの最終定理」は、
フェルマーの最終定理を解き明かしたアンドリュー・ワイルズの話で、
五里霧中の状態で突き進む研究者心理を良く表している。

「精神と物質」は、
ノーベル医学生理学賞を受賞した利根川進に長時間インタビューをした立花隆との共著。
長年、未解明だった問題を探求した研究者の志が書かれていて、
研究の道に進む者にその気構えを指し示している。

どちらも大きな成果を上げた研究者の成果を出すに至る過程が書かれている。

自分の研究者の端くれなのだが、これらの本を見ると、
研究のアウトプットのレベルの向上と
不安な状態で突き進む時の勇気をもらえる気がする。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。